先生の工房では、最初の内は品物の出し入れや型押しが中心でした。
初めて筆を持たされた時、お椀に梅の花を描かされました。
先生の見本を見ながら描くのですが、一つの梅の花を仕上げるのにも時間が掛かりました。
当然、私の描いた梅は先生が手直ししてくれます。
敷板に1つ並べると、兄弟子達は20客以上並んでいました。
蒔絵師に成る事に不安だらけの毎日でした。
でも、その頃は仕事が沢山有り毎日の様に梅の花を描いていました。
手が覚えると言うのでしょうか、兄弟子達には及びませんが少しづつ
仕上げるスピードも早くなって行きました。
その時の手当ては一日¥1,000。
証券会社時代と比べると時給にも満たない金額でした。
教えて貰いに行ってるので、しょうが無いと思っていました。
生活費は父が出してくれていましたが、妻には申し訳なかったと思っています。
最初の内、良かったのは漆には被れなかった事だけでした。
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