今から随分前の事です。
問屋の仕事をしていたこの時期、蒔絵師にとっては忙しい日々で稼ぎ時でもありました。
問屋が塗り師さんに発注した塗り物が蒔絵師の元に回って来る頃でした。
漆器が一番売れた時節は正月に向けての12月。
これに向けて蒔絵師は年末迄、夜遅くまで筆を運ばせていました。
工房には重箱や屠蘇器、雑煮椀が足を踏む場所も無い程に積み重なっていました。
問屋は消費動向が変わり売れなくなったとこぼしますが、それだけでしょうか?
本物の漆器を忘れてギフト品等の安物ばかりに眼を向けて、
消費者のニーズを考えていなかったのではないでしょうか。
本物の漆器を使いたいと言う消費者は、まだまだ多勢いらっしゃると思います。
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