こちらは直径24センチ、高さ19センチの金胎漆器の玉虫塗のサラダボールです。
蒔絵も高蒔絵で素晴らしい逸品です。

金胎漆器とは素地が金属で出来ている漆器の事で、
このサラダボールの素地はアルミニウムです。
戦後の荒廃とした昭和21年に、今の駅前に出来た
「マルニ工芸」という会社が輸出用として製造販売していました。
戦前から当家の東山温泉にあった別荘に疎開されていた、父の東京美術学校の
恩師である当時、漆芸会の第一人者六角紫水先生が顧問を務めておられました。
軽くて素地の変形も無い事で輸出用としてはぴったりの漆器だったのでしょう。
裏には占領下の日本と言う意味のoccupied Japanという文字を見る事が出来ます。

シガレットケース、ランプスタンド等の様な品々を多く輸出していましたが、
残念な事にマルニ工芸は為替レートの変動や、本社工場の火事などで昭和27年に幕を閉じました。
会津ではマルニ工芸の仕事に関係ない職人はいないと言われた程に、
戦後の苦しい時代を会津の漆器職人達は仕事が続けられたのです。
会津漆器へ残した功績は大きなものでした。
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