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会津漆器考「摺漆」

生漆を使う仕事のついでに、お椀に摺漆を施しました。

木地は随分前に下地の石本さんから頂いた品物です。
カンナ目が目立ったので、木地師の荒井さんにペーパーをかけて頂きました。
会津漆器考「摺漆」_e0130334_17255715.jpg
摺漆は木目を生かす塗りで、木地に生漆を摺り込み、拭き取る作業です。

漆かぶれを気にしなければ誰でも出来る塗りの技法で、
摺りを何度も繰り返す事で漆本来の艶が出てきます。

下のお椀は最初に木固めをして、摺漆を5回施して胴ずりをした後に3回摺漆を重ねました。
会津漆器考「摺漆」_e0130334_17261215.jpg
あと数回繰り返したら仕上がりです。

この頃、摺漆と言って問屋が扱う品物を見ると、摺漆とは程遠く木固めの様な品物が目立ちます。

職人も問屋からの工賃を考えれば、この位しか出来ないのだと思います。

問屋が上代を決めて職人に仕事を回すので、何時まで経っても会津は、
安物の産地のイメージが付きまとう様です。

それぞれの職人の工賃から上代を割り出せば、良い品物が出来ると思うのですが。



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by yasuthugu | 2019-06-22 07:30 | work & goods | Comments(0)
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