生漆を使う仕事のついでに、お椀に摺漆を施しました。
木地は随分前に下地の石本さんから頂いた品物です。
カンナ目が目立ったので、木地師の荒井さんにペーパーをかけて頂きました。
摺漆は木目を生かす塗りで、木地に生漆を摺り込み、拭き取る作業です。
漆かぶれを気にしなければ誰でも出来る塗りの技法で、
摺りを何度も繰り返す事で漆本来の艶が出てきます。
下のお椀は最初に木固めをして、摺漆を5回施して胴ずりをした後に3回摺漆を重ねました。
あと数回繰り返したら仕上がりです。
この頃、摺漆と言って問屋が扱う品物を見ると、摺漆とは程遠く木固めの様な品物が目立ちます。
職人も問屋からの工賃を考えれば、この位しか出来ないのだと思います。
問屋が上代を決めて職人に仕事を回すので、何時まで経っても会津は、
安物の産地のイメージが付きまとう様です。
それぞれの職人の工賃から上代を割り出せば、良い品物が出来ると思うのですが。
御蒔絵やまうちのホームページです。